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「ナッジ理論」で自己決定をサポートする

名古屋生まれ メンタルヘルスケアサービス(EAP)の ユース.ウェルネスです。

「自分の事は自分で決めたい」と誰でもそうだと思います。

しかし仕事や私生活では、ルールや法律など自分では決められない事も多いと思います。

それ以外の日常の行動は自分の意思で決めていると思われていませんか。

実はそうでなく気がつかず「ちょっと誘導」されているのかもしれません。

目次

1. 『ナッジ(nudge)』理論

2. 行動経済学とは

3. ナッジ理論の事例

4. まとめ

1.  『ナッジ(nudge)』理論

例えば信号機の赤は止まり、青は進む。レジ前の足跡マークに合わせて並ぶ。スマホのアイコン操作など私達の身の回りには「ちょっと誘導」がたくさんあります。

「ナッジ(nudge)」は、行動経済学の理論です。行動経済学は、人間の習性や心理を含めて研究されているところが特徴です。

ナッジ(nudge)とは、命令や強制によって相手に行動させるのではなく、自らが選択するように「ひじで突くように軽く行動を促す」ことです。 nudgeの意味は「肘でつつく」とか「そっと後押しする」という意味です。相手を誘導するために、経済や行政の活動だけでなく、医療・看護の分野にも応用されています。

ナッジ理論の特徴は「相手に選択肢がある」ところにあります。

人は、正くても「強制」されることを嫌います。ナッジ理論では、相手は強制されたと思わず自分で選択して行動するような仕掛け(アプローチ)を行います。

仕掛ける側は、相手にこちらが望む行動をとってもらうことができます。もちろん完全に誘導することはできません。

厚生労働省もこの理論を応用して、がん検診の受診率をあげようと取り組んでいます。

↓↓↓ 参考サイト

000500407.pdf (mhlw.go.jp)

2.  行動経済学とは

これまでの経済学では「人間は経済的、合理的な判断のもとで意思決定する」という想定で理論が構成されていました。しかし実際の人の行動は、その時の感情にまかせてムダな買い物をしたり、正しくないとわかっていても間違った判断をします。

行動経済学は「人間の判断は不合理である」という考えを前提として「人間の心理と行動」を研究し、経済行動を研究している学問です。

行動経済学分野のナッジ理論は、シカゴ大学のリチャード・セイラー教授らが提唱し、2017年ノーベル経済学賞を受賞しました。ナッジ理論の原著の表紙(※タイトル画像)には、象の親子の像の絵が描かれています。親像が、子供の像を自由に歩かせながらも、そっと後からつっつく様子は、まるで親が子供の成長を後ろから、間違った方向へ行かないよう見守っているようにも見えます。

ナッジ理論は、マーケティングや公共政策の分野で注目されていて、コストコなど、企業がビジネスに取り入れたり、イギリスを始め多くの国や自治体が公共政策の企画に取り入れています。

横浜市は、ナッジ理論を取り入れた行動デザインチーム「YbiT」を立ち上げています。

↓↓↓参考サイト

横浜市行動デザインチーム – YBiT(横浜市行動デザインチーム)は、ナッジ等の行動科学や行動経済学を自治体で活用するために取り組む横浜市の有志で活動するチームです。チームの概要の他、ツールや情報などをご紹介します。

3.  ナッジ理論の事例

レジ前の床の足跡マークのように、思わず提示された選択肢のほうへ誘導されるのもナッジ理論ですが、今回3つの事例を紹介します。

① たばこのポイ捨てをなくす社会の実現を目指す、「ポイ捨て図鑑プロジェクト」

株式会社コソドは、これまでも渋谷センター街などで「投票型喫煙所」を設置。ポイ捨て本数を約8割減少させるという成果がありました。長野県・松本市の協力を得ながら市内高校生と協働し「投票型喫煙所」を活用した実証実験を行いました。

 「投票型喫煙所」は、「人生に大事なのは金か、愛か」など、誰しもが悩む究極の2択の「投票型灰皿」を設置した喫煙所。楽しみながらたばこのポイ捨てを減らすことを目的とし、ナッジ理論に基づき、喫煙者が能動的に吸い殻を捨てたくなる仕組みにしている。渋谷センター街や横浜駅西口五番街で投票型喫煙所を設置したところ、設置前後でポイ捨て数は約8割減少。

長野県・松本市内の高校生による「投票型喫煙所を活用して松本市のたばこのポイ捨て問題を解決したい」という思いに、松本市及びポイ捨て図鑑プロジェクトが賛同。11月21日から27日の1週間、投票型喫煙所を活用した実証実験を実施したところ、設置前後でポイ捨て本数は平均で約4割減との結果になりました。

② 厚生労働省が取り組むナッジ戦略

厚生労働省ハンドブックより

厚生労働省では、がん検診の受診率をたかめるために冊子を作成しています。

その中で、がん検診対象者に対してただ受診を促すのではなく「行動するきっかけの提供」を目的とした効果的な取り組みを紹介しています。

高浜町では、がん検診の受診率を高めるために次回の健診の受診についての質問を「どれにする?」から「いつにする?」に変更しました。

それまでは受診者に選んでもらうようになっていた「検診オプション」の項目を、最初からセットになっているように表示して、質問を「どれを選びますか?」から「いつ受診しますか?」という質問形式にしたのです。

これによって、オプションの申し込み率は36%から53%へ上昇しました。

③ コストコのナッジ理論事例

コストコでは心理学やナッジ理論を使い「買わせるための仕掛け」が多数取り入れられています。

たとえば、年会費制はサンクコスト(埋没費用)効果が狙えます。

サンクコストとは「すでに支払ってしまって戻ることがない金銭的・時間的・労力的なコスト」のです。そしてサンクコスト効果では、支払ったコストを取り返そうとする心理効果があります。それが「どうせ年会費も払ってしまっているから買い物に行こう」という行動をとらせてしまいます。またカートに大きく空間が開いていると、つい他のものまで買ってしまう、という「なんとなく行動をとる」ように仕向けられています。

このナッジの仕組みを仕事や生活、その他の活動に取り入れてアイデアを出してみるのも面白いと思います。

4. まとめ

ナッジ理論は相手に選択肢を残しながら、ある程度の確率で思った方向へ導くことができる理論です。

ナッジ理論をマーケティングに応用すれば、売りたい商品を選んでもらえる可能性を高めることもできます。選択肢は2つではなく3つ用意すると、人間は真ん中を選ぶクセがあります。

日本でもメニューに松竹梅のコースがあり、竹が選ばれる率が高いです。松竹梅の法則とも言われています。

この心理学テクニックを知っていれば上司に決裁をもらう時や売りたい商品を選ばせたいときなどに使えます。

また逆に、この理論を知っていると、お店で商品を選ぶ時や、用意されたサービスに誘導されることなく、自分が本当に必要としているものを選択することができます。

近年、カウンセリングにナッジ理論を取り入れ、相談者が自己決定出来るように支援する事も注目されています。ユースウェルネスのEAPカウンセリングでも、相談者が自ら納得出来るように選択肢の洗い出しから意思決定までキャリアカウンセリングやコーチングを行う事も可能です。ご相談の際は、気構えずに何でもお話して頂ければと思います。

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