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ロゴ・セラピーを活かした悩みへの向き合い方

~ 意味”を見出すことが、心の希望を取り戻す鍵になる ~

現代社会では、さまざまな悩みが私たちを取り巻いています。仕事でのプレッシャー、人間関係のストレス、将来への不安。こうした悩みを抱えたとき、多くの人は「どうすれば楽になるのか」「この悩みを取り除けないか」と考えます。しかし、すぐに解決できない悩みも存在します。むしろ、苦しみや困難が長く続くからこそ、心のバランスを崩してしまう人も少なくありません。

ナチス強制収容所での極限体験を乗り越えた精神科医、ヴィクトール・フランクルが提唱した「ロゴ・セラピー(Logotherapy)」という心理療法があります。

人間の生きる力の根源に「意味を見出す意志」があると説いています。

本コラムでは、ロゴ・セラピーの考え方をベースにしながら、悩みや苦しみとどう向き合えばよいのか、そのヒントを3つの視点からご紹介します。

目次

1.悩みの中に「意味」を問う

2.意味の三つの見出し方

3.日本と欧米のメンタルヘルス対策の違いをどう活かすか

4.まとめ

~なぜ自分が苦しまなければならないのか?ではなく、どう意味を見出すか~

ロゴ・セラピーが他の心理療法と大きく異なる点は、「問題を取り除くこと」よりも、「その問題にどんな意味を見出せるか」に焦点を当てることです。フランクル自身、アウシュヴィッツ収容所の中で家族を失い、想像を絶する苦痛と向き合いました。その極限状態においても、彼は「この苦しみにも意味がある」と信じ、心の希望をつなぎとめたのです。

現代を生きる私たちは、すぐに答えが出ること、成果が出ること、正解があることを求めすぎてしまう傾向にあります。しかし、人生には「なぜ自分がこんな目に?」と思うような理不尽な出来事も起こります。

そんなとき、フランクルは「問いの立て方を変えること」を勧めています。つまり、「人生に意味を問う」のではなく、「人生のほうが私たちに問いを投げかけている」と考えるのです。

「私たちは人生に『何を望むか』を問うべきではない。むしろ、人生が私たちに『何を望んでいるのか』を問わなければならないのだ」   - ヴィクトール・フランクル

                                 

この姿勢は、悩みを「なくす」のではなく、「変化を受け止めて生きる」力を育みます。

悩みの中で「私はこの経験から何を学ぶのか?」「この苦しみが誰かのためになることはないか?」と問い直すことで、心の奥に灯がともることがあります。

~創造・体験・態度から「生きる意味」を探す~

ロゴ・セラピーでは、人間が人生の意味を見出す方法を大きく3つに分類しています。それは、「創造的価値」「体験的価値」「態度的価値」です。悩みに直面したとき、この3つの視点から意味を探ることで、自分自身と状況を違った角度から捉えることができるようになります。

① 創造的価値:何かを生み出すこと

仕事、芸術、子育て、ボランティアなど、自分の力で「何かを創り出す」ことに人は意味を感じます。たとえ困難な状況でも、「誰かのために動く」「小さな達成を重ねる」ことが自己効力感を高め、心の軸を保ちやすくなります。

② 体験的価値:何かを味わうこと

自然、音楽、食事、友情、愛情、美しさ…。何かを「感じる」「味わう」ことにも人生の意味は宿ります。ストレスが多いときほど、五感や感性を使って「今、この瞬間にあるもの」を感じることが、回復の糸口になります。

③ 態度的価値:苦しみに対する態度

最も深い意味が宿るのがこの価値です。避けられない困難や痛みの中で「どんな態度を取るか」を自分で選ぶこと。それこそが、他者に奪われることのない「最後の自由」として、フランクルは重視しました。

たとえば病気や失職、喪失など、自分の力では変えられない現実に直面したとき、「この状況でも、自分はどう生きるか」「何を大切にするか」と考えることは、尊厳ある生き方を支える力となります。

~意味を問い続ける姿勢が、心の力を取り戻す~

ロゴ・セラピーの中心には、「意味の対話」があります。これは、カウンセリングやコーチングの場だけでなく、日々の人間関係や自分との対話にも応用できます。

悩んでいるとき、私たちはつい「過去の後悔」や「未来への不安」に囚われがちです。しかし、意味を見出すのはいつも「今、この瞬間」からしか始まりません。

たとえば、部下や同僚が悩んでいるとき、「なぜそう感じるのか」を一緒に考えるのではなく、「この状況で、あなたにとって大切なことは何か?」「ここから何を始めたいか?」と問いかけてみる。そのような対話は、相手が自分の中にある“意味の種”を見つけるきっかけになります。

また、自分自身に対しても、「今日という一日を、どんな意味のある時間にできるか?」という問いをもって過ごすことが、心の主導権を取り戻す習慣になります。

ロゴ・セラピーの本質は、“意味は他人から与えられるものではなく、自分で見出すもの”という姿勢です。そしてその姿勢は、日々の小さな問いの積み重ねから養われていきます。

まとめ

~悩みの中でも「生きる意味」を見出すという選択~

悩みや苦しみは、人生の中で避けて通れないものかもしれません。けれども、その出来事に「意味を見出す」という視点を持つことで、人は絶望から希望へと向かうことができます。

問いの立て方を変えることで、悩みに「意味」が生まれる

意味は、創造・体験・態度という三つの視点から見つけられる

今この瞬間に、自分で意味を選び取る対話が、心の力を育てる

ロゴ・セラピーが伝えるのは、「人生に意味があるかどうか」を他人に問うのではなく、「自分がそれをどう見出すか」という、内なる自由の感覚です。

もし今、悩みの中で立ち止まっているならば、問いかけてみてください。

「この経験が、自分にどんな意味を与えようとしているのか?」

「この出来事を通じて、私はどんな価値を選び取りたいのか?」

その答えは、あなた自身の中に、きっと眠っています。

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