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ABCで気持ちをポジティブに

名古屋生まれのメンタルヘルスケアサービス(EAP)の ユース.ウェルネスです。

カウンセリングは、傾聴(相談者の話を否定する事なく受け止める姿勢で関わる)が基本とされます。カウンセラーが傾聴する事で信頼関係(ラポール形成)の土台が出来るからです。その土台が無いとのクライアントが否定的や非協力的な気持ちになり、終了する可能性が高まるからです。

しかしカウンセリングは、クライアントが想いを語り楽になる(カタルシス効果)だけでなく、解決に向けて行動したり、物事の捉え方を変えたりして、変化を支援する事もあります。

今回は、認知行動療法にも取り入れられている、ABC理論をご紹介します。

目次

1. ABC理論とは?

2. イラショナルビリーフへのアプローチ

3. ABCDE理論でイラショナルビリーフにアプローチ

1.  ABC理論とは?

ABC理論は、アルバート・エリス(Albert Ellis)が1955年に提唱した論理を中心としたカウンセリングの概念です。論理療法の理論です。

A:Activating Events(出来事・事実)

B:Belief(信念・解釈・考え方-受け取り方や感じ方)

C:Consequence(結果、判断、行動、感情)

の頭文字をとってABC理論と名付けられました。

人は、A:出来事・事実が起こると、B:信念・考え方・解釈を通して、C:結果・判断・行動へとつながって行きます。

ABC理論でいちばん大事なのは、B:ビリーフ(Belief)です。

全く同じA:出来事を経験しても、ある人は激しくへこみ、ある人は喜ぶといった違いが生まれます。失敗をして、長く落ち込む人もいれば、スグに前向きになれる人がいます。

ABC理論では、この違いは、個人のB:ビリーフの違いと考えます。

例えば、A:失敗をすると、B:「自分はダメなやつ」だと思うと、その後C:自信が持てなくなってしまいます。

逆に、同じ失敗をしても、B:「今後につながる経験だ」と思うと、C:前向きになります。

その良くない結果を招く、誤った認識や不合理なB:信念をイラショナルビリーフと言います。「失敗はダメなことだ」というイラショナルビリーフを強く持っているほど、酷く自信をなくしてしまいます。

もちろん極端に「失敗は、全て良いこと」だ推奨しているわけではありません。事前に心身が疲弊するほど心配して行動して成果が出るかもしれませんが、その結果メンタルをやられては元も子もありません。

実際に責任感が強い人ほどうつ病になりやすいといったデータもあります。だからこそ、不適切なビリーフに対して適切な働きかけを行うことが大切です。

2.  イラショナルビリーフへのアプローチ

イラショナルビリーフとは、誤った認識や不合理な考え方です。非論理的思考とも言います。

アルバートエリスは、著書「人と業績」で、具体的な非論理的思考(イラショナルビリーフ)が記載しています。

【アルバートエリス「人と業績」より】

・人は自分にとって重要である人から愛されたり認められなければならない

・人は自分の有能さを証明し実績をあげねばならない。少なくとも、重要な領域においてはひとかどの才能や能力を持たなければならない

・人々が自分に対して深い、不正を加えた場合には、断固としてその人を非難したり、強めたりしなければならないし、彼らの不正、不徳のダメ人間とみなさなければならない

・人がはなはだしく欲求不満に陥ったり、不正な扱いを受けたり拒絶されたりすると、人は必ずや事態を八方塞がりで恐ろしく、悩ましく、絶望なものとしてとらえなければならない

・外からの心理的圧力がある人から人はみじめな気持ちになるのであって、自分の感情をコントロールしたり変えたりできるわけがない

・危険で恐ろしそうに思えるものに遭遇したとき、不安で頭がいっぱいになってしまうものである

・人生の困難や責任のある仕事に毅然として立ち向かうよりは、回避するほうが楽である

・過去は極めて重要である。その人の人生にかなり影響を与えた過去の出来事は、その人の現在の感情や行動を左右するほどの影響力を持ち続けてしかるべきである

・ひとや自体(物事)というものは現状よりもいっそういい方向にむかわなければならない。人生の諸問題の良き解決策をみいだせないとしたら、人生も末で、恐ろしい事であるとは考えねばならぬ

・「果報は寝て待て」「棚から牡丹餅」風に幸福を享受したり手に入れたりすることこそ人生の至福である

論理療法では、カウンセラーがクライアントのイラショナルビリーフに対して適切に働きかけていきます。

3.  ABCDE理論でイラショナルビリーフにアプローチ

ABCDE理論でイラショナルビリーフにアプローチ

ABCDE理論とは、ABC理論にDEを加えたものです。

D:Dispute(反論・論駁)

E:Effect(効果)

ABCDE理論では、カウンセラーがクライアントのビリーフに対して反論・論駁をしていく形で進めていきます。全ての考えを批判・否定するのではなく、クライアントが囚われている謝ったビリーフ(イラショナル・ビリーフ)に対してのみ反論・論駁をしていきます。但し、クライアントの気持ちをむやみに否定せず、クライアント自身が否定したい部分を一緒になって考えていくように関わります。

例えば、「失敗すると、会社に悪い影響を及ぼす」という解釈は以下のように反論(D)することができます。

・失敗したら、本当に会社に悪い影響を及ぼすのでしょうか?

・失敗して会社に悪い影響を及ぼすとしたら、具体的にどのような規模でしょうか?

・失敗した場合、具体的に会社はどのような状態に陥るのでしょうか?

このように反論することで、「失敗しても、会社に与える影響は問題ないレベルである」と解釈を変えていきます。

イラショナルビリーフは、「~であるべき」とか「~であらねばならない」というような融通の利かない信念です。反論・論駁は、確実性ではなく確率的な考えに基づいて「~にこしたことはない」というラショナルビリーフ(合理的信念)に変えていくアプローチです。

つまり、何故、そのような不適切な解釈をしているかを問うことで、合理的な信念に変えていくことがABCDE理論です。

↓↓↓ 参考サイト

心の健康 |厚生労働省 (mhlw.go.jp)

まとめ

ABC理論は、同じA:出来事が起こってもB:捉え方の違いでC:反応が変わる事を示した理論です。

カウンセリングでも使われる理論ですが、ちょっと不安や悩んだ時には自分独りでも行えます。

やり方は

  • A:起こった出来事 B:今の自分の捉え方(考え方) C:自分の今の感情 を紙に書き出します。
  • B:今の自分の捉え方(考え方)と違う、D:別視点の捉え方(考え方)を出来るだけたくさん書き出す。

信頼できる他人に聞いてみるのも良いでしょう。

  • その中からE:楽になる反応、前向きになりそうなB:合理的を見つけて取り入れてみる。
  • 書き出す ➡ ②見つける ➡ ③取り入れるの3段階になります。

ユース・ウェルネスのカウンセリングでも、相談者様が否定的な考えにとらわれていらっしゃる時に、ABCDE理論に沿って一緒に考える事もあります。相談者様が独りで抱え込まず、一緒に新たな考え方を見つけていければと思います。

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