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社会的疲労 ‐ social fatigue ‐

―人との関わりが心をすり減らす時代に―

目次

1.つながり過剰の時代が生む「社会的疲労」

2.なぜ人との関わりがストレスになるのか

3.社会的疲労を和らげる3つのセルフケア

4.まとめ

私たちは今、かつてないほど人と“つながり”やすい社会に生きています。

SNSやチャットツール、オンライン会議、グループLINEなどを通じて、常に誰かと関わりを持ちながら仕事や生活をしています。しかし、その「つながりやすさ」は同時に、心の休まる時間を奪い、知らず知らずのうちに 「 社会的疲労(social fatigue) 」を生み出しています。

社会的疲労とは、他者との関わりや社会的な期待に応え続ける中で、精神的なエネルギーが消耗していく状態を指します。典型的には、対人関係への過度な気遣いや、周囲との比較、承認欲求の満たされなさなどから生じます。近年では、リモートワークによる「つながり不足」よりも、むしろ「常時接続による気疲れ」が増えていると指摘されます。

仕事でも「報告・連絡・相談」が強調される一方、メッセージの既読・未読、返信の速度、表情の読み取りなど、デジタル上でも“空気を読む”スキルが求められています。このようなコミュニケーションの密度と速さが、私たちの脳に負担をかけているのです。

人間は社会的動物であり、他者とのつながりは生存に不可欠です。

ところが現代社会では、その「関わり方」が大きく変化しました。かつての対面型コミュニケーションでは、声のトーンや表情、沈黙などから相手の意図を感じ取り、自然に間合いをとることができました。ところがデジタルコミュニケーションでは、短い言葉や絵文字、スタンプのやり取りが中心となり、文脈が読み取りづらくなっています。その結果、相手の反応を過剰に気にしたり、誤解を恐れて疲弊する人が増えています。

さらに、SNSでは「他人の幸せ」や「成功」が可視化されるため、自分との比較が避けられません。

心理学ではこれを「社会的比較理論(Festinger, 1954)」と呼び、人は他者との比較を通じて自己評価を行う傾向があるとされます。しかし、比較の対象があまりに多い現代では、常に「自分が劣っている」と感じるリスクが高まります。

また、日本の職場ではとくに「チームワーク」や「協調性」が重視される一方で、「本音を言うと角が立つ」「空気を乱してはいけない」といったプレッシャーも存在します。

このような“社会的圧力”の積み重ねが、慢性的なストレス反応を引き起こします。社会的疲労は、こうした他者との“距離の取り方”が難しい時代特有の心の疲れといえるでしょう。

社会的疲労を完全に避けることはできませんが、意識的に“距離”を調整することで軽減することが可能です。ここでは、日常生活で実践できる3つの方法を紹介します。

① デジタルデトックスの時間をつくる

スマートフォンやパソコンの通知は、脳を常に「他者対応モード」にします。就寝前の1時間だけでも画面を見ない時間をつくることで、心が落ち着き、睡眠の質も向上します。週末には「LINEやメールを見ない日」を設けるのも効果的です。

② “ほどよい関係”を意識する

誰とでも仲良くしようと無理をするのではなく、自分にとって心地よい関係の“深さ”や“範囲”を見極めましょう。心理学者ロバート・ワイスは、人が本当に心の支えになる関係は3~5人程度だと述べています。すべての人に好かれようとするより、安心して弱音を吐ける相手を大切にすることが、長期的な安定につながります。

③ 「自分の時間」を確保する

社会的疲労は、他者に気を使う時間が多すぎることが原因です。意識的に「誰にも気を使わない時間」をつくりましょう。散歩や読書、趣味など、ひとりの時間を“贅沢なリセット”として位置づけることで、再び人との関わりに前向きになれます。

まとめ

~人間関係は「頑張るもの」から「整えるもの」へ~

社会的疲労は、私たちが社会で生きる以上、避けて通れない現象です。しかし、それは「人間関係が悪い」ということではありません。むしろ、関わりが多様であるほど、心のバランスを整える力が求められるということです。

かつては「人間関係をうまく築く」ことが目標とされましたが、これからは「人間関係を整える」「自分に合う関わり方を選ぶ」ことが大切です。自分を犠牲にしてまで他者に合わせるのではなく、健全な境界線(バウンダリー)を引く勇気を持つこと。それが、真の意味での“社会的ウェルビーイング”につながります。

心が疲れたときは、「人が嫌いになった」のではなく、「人に気を使いすぎて疲れた」と受け止めてください。休むことは、他者との関係を断つことではなく、よりよい関係を築くための準備期間なのです。

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