~ 安全と衛生の両面アプローチ ~
さまざまな組織の現場で耳にする「安全衛生」という言葉。
しかし、「安全」と「衛生」の違いを明確に説明できますか?
どちらも大切であることは分かっていても、日々の業務の中では混ざって理解
されがちです。
この二つは、守っている対象も、アプローチも少し違います。
そして、その違いを理解することで、現場の事故予防や従業員の健康管理はより
効果的になります。
目次
1.安全=「突然起こる危険」を防ぐ視点
安全とは、主に「事故」や「災害」といった、突発的で目に見えやすい危険を防ぐことを指します。
例えば、
・機械への巻き込まれ事故
・高所からの転落
・交通事故
・感電や火災
これらは発生すれば即座に重大な結果をもたらします。
安全対策の特徴は、「原因と結果が比較的分かりやすい」点にあります。
そのため、設備改善、マニュアル整備、保護具の着用、KY(危険予知)活動など、比較的対策が取りやすいのです。
安全は、「目に見えるリスク」に対する防御と言えるでしょう。
言い換えれば、今日・今この瞬間の危険を予防したり取り除く取り組みです。
2.衛生=「じわじわ蝕むリスク」を防ぐ視点
一方、衛生とは、長期的・慢性的に健康へ影響を与える要因を管理することです。
例えば、
・長時間労働による過労
・ストレスの蓄積
・騒音や粉じんによる健康被害
・感染症対策
・メンタルヘルス不調
これらは事故のように一瞬で起きるものではなく、時間をかけて影響が現れます。
そのため、問題が表面化しにくく、対策が後回しになりがちです。
衛生は、「見えにくいリスク」への対応です。
言い換えれば、「未来の健康被害を防ぐ取り組み」と言えます。
近年は特に、心理的安全性やハラスメント対策、ストレスチェックなど、心の衛生管理が
重要視されています。これは単なる福利厚生ではなく、生産性や組織の持続可能性に直結
する経営課題です。
3.経営視点で見る安全と衛生
安全と衛生は、どちらか一方では不十分です。
例えば、事故がゼロでも、長時間労働や人間関係のストレスが蔓延していれば、離職率は高まり、組織力は低下します。
逆に、メンタルヘルス対策が充実していても、基本的な安全管理が甘ければ重大事故が発生します。
安全は「命を守る土台づくり」、衛生は「働き続けられる環境づくり」。
この二つがそろって初めて、本当の「働きやすい職場」が実現します。
また、現代企業においては、コンプライアンスや人的資本経営の観点からも、安全衛生体制の整備は不可欠です。安全は企業の信用を守り、衛生は人材価値を守ります。
さらに重要なのは、管理職の意識です。
危険防止や事故対応するのが安全管理だとすれば、健康増進や不良の防止が衛生管理です。管理職が、日頃から安全も衛生も予防的視点を持つ事で組織の成熟度を左右します。
職場の【安全と衛生】のセルフチェックを記載しましたので、一度チェックしてみて下さい。
【安全:急性リスクへの対策】
□ 危険箇所は明確に表示・区分されているか
(災害・事故・怪我等のリスクの見える化)
□ 手順・マニュアルは職場・業務実態に合っているか
(形だけのルールになっていないか)
□ヒヤリ・ハットが報告・共有されているか
(報告者が責められない風土があるか)
□ 避難や安全などの設備や用具は適切に管理・点検されているか
(ヘルメット・安全装置・消火設備・災害用具など)
□ 緊急時対応(災害・事故)の訓練が定期的に実施されているか
(避難訓練・連絡体制の確認)
【衛生:慢性リスクへの対策】
□長時間労働や業務過多が常態化していないか
(特定の人への偏りはないか)
□ストレスチェックや面談後のフォローが行われているか
(集団分析の活用も含む)
□ 心理的安全性が保たれているか
(意見を言いづらい雰囲気はないか)
□ 職場環境(温度・照度・換気・騒音等)は適切か
(身体的負担を軽減できているか)
□ ハラスメントや感染症対策など、予防的取り組みが機能しているか
(相談窓口が周知され、利用しやすいか)
まとめ
安全は「急性のリスク」への対策、衛生は「慢性のリスク」への対策、どちらも欠けてはなりません。
事故を防ぐことだけが安全衛生ではなく、従業員が長く健やかに働ける環境を整えることこそ、これからの企業に求められる姿勢です。
安全と衛生の違いを理解し、両輪として機能させること。それが、組織の持続的成長と従業員の幸福を支える基盤になります。
「安全第一」から「安全と衛生も第一」
今一度、組織の取り組みを見直してみてはいかがでしょうか。
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