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ヒューリスティックと上手につきあう

名古屋生まれ メンタルヘルスケアサービス(EAP)の ユース.ウェルネスです。

ヒューリスティックと日常聞く事は少ないと思います。しかし私達は何かを判断する時には、かなりの頻度でヒューリスティックを使いっています。

目次

1. ヒューリスティックとは

2. 代表的なヒューリスティック

3. ヒューリスティックを使った身近な例

4. まとめ

1.  ヒューリスティックとは

ヒューリスティックとは、簡単にいうと「すぐに答えを導き出す直感的な思考」のことです。

自身の経験をもとに、より良い答えを出そうとすることとも言えます。

例えばレストランで注文するとき、自分の経験(過去に食べた料理中から)をもとに今回の注文を決めるといった感じです。

対義語は「システマティック」といって、「より良いものを選択するために熟考する思考」です。大きな買い物や重大な決断するときに使われます。

2.  代表的なヒューリスティック

代表的なヒューリスティックには、いくつか種類がありますが、今回は3つのカテゴリーを紹介します。

【 固着性ヒューリスティック 】

「人って自分の主観や思い込みで印象を左右するよね」というものです。この考え方で代表的な用語を解説していきます。

・フレーミング効果

「言っていることは同じなのに、表現方法が変わることで印象も変わる」といった感じです。

例えば、「a.コップに半分しか水入っていない。」「b.コップにまだ水が半分も入っている。」

bの方が何となく多く感じる人が多いと思います。

他にも「a.80%の確率で成功します! 」「b.20%の確率で失敗します!」だと、aは成功しそうで、bは失敗しそうに感じませんか。

これがフレーミング効果が与えるものです。

・ハロー効果

「1つの印象が全体の印象を左右してしまう」ものです。

例えば、有名シェフ監修の料理と聞くと、きっと美味しいだろうと思ったり、生まれはアメリカですと紹介されたら、英語が堪能と思うでしょう。

テレビCMで、有名タレントを使って商品イメージを良くしようとするのも同様です。

よく考えると商品自体に魅力があるというよりは、そのタレントの魅力があることが多いと思われます。1つの印象が全体を左右していますね。

・確証バイアス

確証バイアスは、「先入観でモノゴトを判断」します。好きなものは好きなところ、嫌いなものは嫌いなところを重点的に探したり見たりしてしまう事です。

例えば、あなたが嫌いな○○さんの噂を聞いたとしましょう。

友達から「○○さんって、今は生徒会長になったけれど、小学生のころイジメばっかりしてたらしいよ。」と言われたらどう思いますか?

○○さんの良いところ1つ、悪いところ1つ聞いていますが、あなたは○○さんが嫌いなので悪いところが目立って見えるはずです。

そして確証バイアスが発動し、○○さんは嫌なやつといった印象が強まります。

以上が、固着性ヒューリスティックです。

他にもさまざまな効果があるので、気になる方は用語集を見てみてください。

【 利用可能性ヒューリスティック 】

「知っているものやよく見るものを選択してしまう」というものです。

この考え方で代表的な用語を解説していきます。

カクテルパーティー効果

代表的なのはカクテルパーティー効果です。

「パーティーなどのうるさい場所でも、話している人の声が聞き取れる」というものです。

選択的知覚といって、人は興味のあるものを選択して知覚することができます。

【 代表性ヒューリスティック 】

「そのモノゴトの代表的なものだけで、全体を判断する」という者です。一部だけで判断する固着性ヒューリスティックと少し似ています。

この考え方で代表的な用語を解説していきます。

初頭効果

こちらは簡単に言うと、「第一印象がインパクトがあって、印象に残る」といったものです。

人は初対面の0.6秒で好き嫌いの印象が決まり、それが変わるのに40時間の異なる印象付けが必要とも言われます。

・ピークエンドの法則

「一番盛り上がる場所と最後が印象に残る」というものです。

一番の盛り上がりが「言い争い」だったり、最後に話したことが「嫌味」だったら、その間に話した良い話も忘れて、印象は悪くなるといった具合です。

誰かと話すときに良い印象を残したいなら、一番盛り上げる場面と最後は楽しい話や相手を褒めたりすると良いでしょう。

・ステレオタイプ

「ハロー効果」に似ていますが「典型的な印象で何かを判断してしまう」といったものです。

人はさまざまな情報があっても一部の情報だけで判断してしまいます。

例えば、「会社員、家族持ち、ブランド好き、飲み会好き」といった情報のある人がいたら、「ブランド好き、飲み会好き」という一部の情報だけで「この人はチャラそう」と判断してしまうのがステレオタイプです。

このように人間のヒューリスティックには、直感的に様々なことを判断ができ効率的ですが、経験などに基づいて偏った見方をしてしまうことがあります。

3.  ヒューリスティックを使った身近な例

・フレーミング効果を使った例

値札の表示で「3万円OFF」と「30,000円OFF」を見たら後者の方が得する感じが強いと思います。

数字が多く見えて、より大きく割引されていると感じるためです。

また割烹料理のコースを松竹梅で表示するのもこの効果を使っています。

松:6000円のコース 竹:4000円のコース 梅:3000円のコースとメニューにあると、真ん中の松のコースを選ばれる確率が高くなります。

これと似た方法で、通販などでいくつかの商品をセット購入するとお得に感じるというものがあります。

・初頭効果を使った例

営業などに行く際、服装や髪を整えたり、明るく話すことで相手に良い印象を与えられます。もちろん身だしなみも大事ですが、姿勢や表情、声の高さ・大きさ、話すスピードなどでも印象は変わります。先に述べましたが、初対面の印象は強く、長く残るのでとても重要です。

・ピークエンドの法則を使った例

これは日常でも使えますが、話の盛り上がりどころと最後に良い印象を与えるといったものです。相手が夢中で聞いてくれるなと思ったら、そこで相手を褒めたり喜ばせたりして、最後に褒めて別れると好印象を残せます。「また会いたいな」と思ってもらえる人が増えると、人的資源が豊富になるかもしれません。

4. まとめ

 ヒューリスティックは、人間が効率的に判断する為に備わった能力です。しかし経験に基づいた直感で判断すると、間違った選択をする事もあります。

企業では、それを利用して消費者に商品やサービスをうまく印象付けたり、誘導したりしています。

しかし人と良い関係を作る事にも使う事が出来ますので、まずは日常の身の回りや自分自身のヒューリスティックを探してみて「これもヒューリスティックかな」と気付く事から始めてみてはいかがでしょうか。

 EAPのカウンセリングでも、相談者の経験から来る「思い込み」や「レッテル」から不具合が生じている可能性があれば、まずはご自身の「見え方」「捉え方」に気付いて頂けるように関わる事もあります。自分を客観的に一度見つめ直したいと思われる方は、お気軽にお問い合わせください。

↓↓↓ おすすめサイト

認知行動療法 | e-ヘルスネット(厚生労働省) (mhlw.go.jp)

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