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五感を活用したメンタルヘルス対策

~自分の感覚を味方につけて、心にやさしくなる~

現代社会において、ストレスや不安、気分の落ち込みは誰にとっても身近な問題です。

心の不調を感じたとき、私たちは「考えすぎないようにしよう」「ポジティブにいよう」と、思考に働きかける方法を取りがちですが、実はそれ以上に、もっと自然でやさしいアプローチがあります。

それが「五感」を活用したメンタルヘルス対策です。視覚・聴覚・触覚・嗅覚・味覚という五感は、私たちが生まれながらに持つ“感覚の扉”。これらに意識的にアプローチすることで、思考を一度お休みさせ、身体と心を緩めることができます。

今回は、五感それぞれに働きかける具体的な方法を紹介しながら、メンタルヘルスと五感の関係について考えていきます。

目次

1.視覚と聴覚で「外の世界」とやさしくつながる

2.触覚と嗅覚で「今ここ」に戻る

3.味覚で自分を「丁寧にもてなす」

4.まとめ

まず注目したいのは、私たちが日常的にもっとも多く使っている視覚と聴覚です。

目にするもの、耳に入ってくる音は、知らず知らずのうちに心に影響を与えています。

たとえば、暗いニュースや刺激的な映像ばかりを見ていると、不安や焦燥感が高まることがあります。逆に、美しい自然の風景やアート、落ち着いた音楽に触れると、心がふっと緩む経験をしたことがある方も多いのではないでしょうか。

視覚を活用した対策としては、「目にやさしい色や光を取り入れる」ことが有効です。

自然のグリーンや空の青、淡いオレンジなどのアースカラーは、交感神経の興奮を抑えるとされています。また、スマートフォンやパソコンの使用を控え、キャンドルの炎や間接照明など“やわらかい光”の中で過ごす時間も、リラックス効果があります。

一方、聴覚へのアプローチでは、「音の選び方」が大切です。

川のせせらぎ、雨音、鳥のさえずり、ピアノの旋律――こうした自然音やシンプルな音楽は、脳波をアルファ波優位に導き、ストレスを和らげてくれます。自分の“心地よい音”をいくつかストックしておくと、不調を感じたときのセルフケアに役立ちます。

続いては、触覚と嗅覚に目を向けてみましょう。私たちはストレスを感じているとき、「今ここ」に意識を留めることが難しくなりがちです。そんなとき、触覚や嗅覚を使って、身体感覚を通じて“今”に戻る練習が効果的です。

触覚へのアプローチで代表的なのは「セルフタッチ」や「グラウンディング」です。

たとえば、手のひらを重ねて胸に当ててみる、膝の上にやさしく手を置く、あたたかいお湯で手を洗う、といった動作は、自分に触れることで安心感をもたらします。また、足裏で床を感じる、重たいブランケットをかけるなども、自分の輪郭を感じられて、心が安定しやすくなります。

嗅覚は、もっとも本能的な感覚とされており、香りはダイレクトに脳の情動中枢に働きかけます。たとえば、ラベンダーはリラックス効果、レモンは気分をリフレッシュさせる効果、ヒノキは安心感を与える効果があるといわれています。アロマオイルを使った芳香浴、枕に香りをつけて眠る、マグカップに熱湯と精油を数滴垂らして香りを楽しむといった方法で、嗅覚をやさしく刺激することができます。

香りや肌ざわりといった“感覚”に意識を向けることで、思考のループから離れ、「今、ここにいる自分」に戻ることができるのです。

最後に紹介するのは、日々の中で当たり前になっている「味覚」を使ったセルフケアです。

食べることは、生きることに直結する本能的な行為であると同時に、心に大きな影響を与えます。

ただ、忙しさや習慣で“ながら食べ”をしていると、味わうことの豊かさを見失ってしまいます。

ここで大切なのは、「味わって食べる」という行為を、意識的に取り入れることです。

食材の色や形を眺め、香りを感じ、口に入れたときの食感、広がる風味に集中してみる――そうすることで、五感がフルに刺激され、心がほっと落ち着いてくるのが分かるはずです。

また、味覚を通じて自分を「丁寧にもてなす」という視点も大切です。自分の体が本当に求めているものは何かを感じ取り、そのニーズに応えるような食事をすること。

それは単なる栄養補給ではなく、自分自身への“おもてなし”になります。温かいスープ、季節の果物、お気に入りのお茶――どんな小さなことでも、「これを味わう時間は、自分を大切にする時間なんだ」と意識することで、心が豊かになっていきます。

まとめ

メンタルヘルスの不調は、誰にでも起こりうるものです。そしてそれに対処するための方法は、必ずしも大げさなものである必要はありません。

私たちがもともと持っている五感――この“感覚の地図”をうまく活用することで、思考や感情に囚われすぎず、自分の心と身体にやさしく寄り添うことができます。

「なんとなく落ち込んでいる」「理由はわからないけど疲れている」――そんなときは、少し立ち止まり、自分の五感に意識を向けてみてください。

視覚で癒され、音に包まれ、触れて安心し、香りでほどけ、味で満たされる……五感を通して、私たちは「生きている実感」と「自分らしさ」を取り戻すことができるのです。

忙しい日々の中で忘れがちな“感覚の声”に耳を澄ませること。それが、心の回復を導く、もっとも自然で確かな一歩となるでしょう。

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