~良い睡眠は、健康な心の基本~
現代人の多くが抱える「睡眠不足」。
忙しい日常や情報過多の社会の中で、十分な睡眠を確保することが難しくなっている方も少なくありません。実はこの“睡眠不足”は、私たちの心の健康、すなわちメンタルヘルスと密接な関係を持っています。
睡眠とメンタルヘルスの関係を3つの視点から見ていきましょう。
目次
1.睡眠の質が心の安定に与える影響
睡眠には「脳」と「心」を休ませる重要な役割があります。
脳科学の観点からも、睡眠中には記憶の整理や感情のリセットが行われていることがわかっています。特に、レム睡眠と呼ばれる浅い眠りの時間には、感情の処理やストレス反応の調整がなされており、十分なレム睡眠が取れないと、些細な出来事でも過剰に反応してしまうことがあります。
実際、慢性的な睡眠不足は、イライラ感の増加や不安感、集中力の低下などを引き起こしやすく、うつ状態や不安障害のリスクを高めることが複数の研究で示されています。
また、十分な睡眠がとれている人ほど、ポジティブな感情を抱きやすいというデータもあり、睡眠の質と感情の安定性には強い関連性があるのです。
2.睡眠不足が引き起こす心身の悪循環
睡眠不足が続くことで、身体的な疲労だけでなく、心の疲労も蓄積されます。
例えば、仕事や家庭でのストレスが原因で眠れなくなり、さらに睡眠不足によってストレス耐性が低下し、ますます眠れなくなるという「負のスパイラル」に陥ることがあります。
このような状態が長く続くと、自律神経のバランスが乱れ、抑うつ的な思考や強い不安感、さらにはパニック障害や適応障害といったメンタルヘルス上の問題に発展する可能性も出てきます。
特に「寝つきが悪い」「夜中に何度も目が覚める」「朝早く目覚めてしまう」といった睡眠の質の低下は、メンタル不調の初期サインであることも多く、見過ごしてはいけません。
また、睡眠不足は日中のパフォーマンス低下やミスの増加、対人関係のトラブルなど、社会生活にも悪影響を及ぼし、それがまたストレス源になるという、心身一体の悪循環を生むのです。
3.質の良い睡眠を取り戻すためのアプローチ
メンタルヘルスの維持・回復において、まず見直すべき生活習慣の一つが「睡眠」です。
睡眠時間だけでなく、「質」にも注目することが大切です。では、質の良い睡眠を得るために、どのような工夫ができるのでしょうか?
まず大切なのは、「睡眠のリズム」を整えることです。
毎日同じ時間に寝て、同じ時間に起きるというリズムをつくることは、体内時計を安定させ、深い睡眠を促します。また、寝る前のスマートフォンやパソコンの使用はブルーライトにより脳を覚醒させてしまうため、少なくとも就寝1時間前には控えるよう心がけましょう。
さらに、寝る前に心と身体をリラックスさせる習慣も効果的です。
軽いストレッチやぬるめのお風呂、アロマ、読書など、自分にとって心地よい時間を設けることで、副交感神経が優位になり、自然と眠気を誘います。カフェインやアルコールの摂取も、質の高い睡眠を妨げる原因となるため、夕方以降は避けるのが望ましいでしょう。
もし、これらを試しても不眠の状態が続くようであれば、無理に我慢せず専門家に相談することも重要です。特に心理的なストレスや不安が背景にある場合、医師や保健師、カウンセラーなどの専門家と対話を重ねることで、根本的な課題に気づき、改善の糸口をつかめることもあります。
まとめ
睡眠を見直すことが、心の健康への第一歩
「眠れないのは、自分が弱いからだ」と思い込んでしまう方もいますが、睡眠は心身の状態を映す“鏡”でもあります。忙しい毎日だからこそ、まずは自分の睡眠に目を向け、どのような質で眠れているかをチェックしてみてください。
良質な睡眠は、単なる休息ではなく、感情を整え、ストレスに強い心を育て、前向きな思考を促す「土台」となります。メンタルヘルスを整えたいと感じている方は、生活リズムや睡眠環境の見直しからスタートしてみるのはいかがでしょうか。
睡眠を変えれば、きっと、心も変わっていくはずです。
株式会社ユース.ウェルネス
〒460-0008 愛知県名古屋市中区栄2丁目9番26号 ポーラ名古屋ビル A館 5階
TEL:052-526-3350 FAX:052-526-3351
企業・法人のメンタルヘルスの事ならユース.ウェルネにお任せ下さい。
従業員のカウンセリング、研修を有資格者が行います。
人事、総務部へのコンサルティングもサポートします。