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人生を切りひらく意思決定理論

-人生は、選択の連続-

春になり真新しいスーツを着た新入社員の方々を見かける事が増えてきました。

学校を卒業して色々なことを考え、就活をして社会人としての一歩を踏み出されたと思います。

シェイクスピアの『ハムレット』のなかで、ハムレット王は『Life is a series of choices.(人生は選択の連続である)』と言っています。

私たちは、1日に1,000個以上の選択を行っているとも言われています。

どの服を着るか?靴はどれ?何を食べるか?誰と合うか?

などように朝起きてから寝るまで毎日大小さまざまな選択に迫られています。

つまり自分で意思を決定しているわけです。そんな意思決定する為の理論の中から、ジェラット(Harry B.Gellat)の理論をご紹介します。

目次

1. 意思決定理論の始まり

2. ジェラットの意思決定理論

3. 積極的不確実性

4. まとめ

1.  意思決定理論の始まり

アメリカから発展してきたキャリア理論では、約100年前にパーソンズによる特性因子理論が意思決定理論の始まりとされています。当時は、産業革命の影響で、アメリカの人々にも仕事や生活環境が大きく変わり、失業者が社会問題となっていました。

パーソンズは個人の特性(性格や価値観)と仕事内容や必要なスキルなどの因子をマッチングさせることが重要と考え、特性因子理論を提唱しました。

次いで登場するパーソナリティ理論は、特性因子理論を発展させる形で提唱された理論で個人それぞれは異なる存在で、特性も違い、複数組み合わせて捉える必要を唱えました。人は置かれた環境、育った環境によっても、行動が異なるとも考えました。 研究者の第一人者であるジェラット(Harry B.Gellat)の意思決定理論は、人生は意思決定の連続であり、人がキャリア選択をしていく「プロセス」そのものが大切であるという考え方から発展した理論です。

2. ジェラットの意思決定理論

ジェラットの意思決定理論は、特性因子理論のように個人の特性や職業での必要要件に焦点を当てず、キャリアを選択していく意思決定そのものに焦点を当てた考え方です。

ジェラットの意思決定理論は「意思決定プロセス」と「意思決定スタイル」の大きく二つに分類されています。「意思決定プロセス」は、さらに「合理的な意思決定論」と「実際的な意思決定論」に分けて考えられています。

「合理的な意思決定論」は、論理的・合理的に最適な意思決定を行うための方法です。「実際的な意思決定論」は、人がどのように意思決定を行うのかについて説明した理論です。

「意思決定スタイル」は、本人の自己理解の程度や自分が置かれている環境への理解がどの程度かなどにより、数タイプに分類したものです。

ジェラットは、研究初期において理性的で合理的な意思決定の重要性を説いていましたが、後半では初期の理論を発展させる形で、合理性よりも直感などの非合理的な側面を重視しました。

ジェラットの研究初期に提唱された合理的な意思決定モデルでは、以下のようなモデルを作成しました。

【目標・目的】:意思決定するテーマの明確化

【情報収集】:テーマに関わる情報の収集

【意思決定システム】:・予測システム・価値システム・決定基準

【探索的決定】:テーマについてのさらなる情報収集、吟味を行う意思決定

【最終的決定】:テーマに対する最終結論

意思決定は、選択肢とそれを選択した場合に予測される結果を評価し、適切なものを選択するというプロセスを繰り返すとしています。

「予測システム」のステップでは、選択肢それぞれがもたらす結果がどの程度起こりうるかを判断します。

「価値システム」のステップでは、各選択肢の結果の好ましさを判断します。どういう結果が望ましいかは人それぞれですが、この段階で自身が認識していなかった自分の性格や価値観が見えてくることがあります。

2つのステップを経て「決定基準」ができあがります。

彼は意思決定プロセスを行うにあたり

・すべての選択肢に気づくこと

・十分な情報を得ること

・情報の関連性と信頼性を検討すること

・価値システムからそれぞれの結果を評価すること

が重要であるとしています。

3.  積極的不確実性

ジェラットの積極的不確実性について1989年に出版された著書の中で、彼は積極的不確実性を唱えました。

1980年代後半は労働市場の変化が激しい時代であり、収集した情報が必ずしもずっと真実であるとは限らない、人間が収集し得る情報量には限りがあることや、得た情報は受け手の解釈や考えにより変化することがあることにも触れ、意思決定には非合理的な側面(心の声)も大切であると考えたのです。つまり不確実性を積極的に捉えて柔軟になることが大切だと唱えたのです。

ただ初期の合理的意思決定モデルを否定する訳ではなく、依然として意思決定においては、情報収集や選択肢の絞り込みは欠かせません。段階を経て意思決定をする訳ですが、その際に合理的な側面だけを考えるのではなく、直感や夢、創造性といった非合理的な側面がむしろ大切になってくるということです。

4. まとめ

ジェラットは、研究当初意思決定は合理的になされるべきだという立場をとっていましたが、世の中の不確実性から、近年は不確実であることを積極的に捉えてキャリア形成していくことを唱えました。

選択肢を吟味する上で情報収集と選択肢の絞り込みは変わらず重要ですが、予測不可能な現代であるからこそ不確実性を受け入れた上でビジョンを持つことがより求められると考えたのです。

現代は、テクノロジーの進化によって、あらゆるものを取り巻く環境が複雑さを増し、将来の予測が困難な状況にある「VUCA(ブーカ)時代」と言われています。ジェラットの意思決定理論は、より良い意思決定、効果的な意思決定のために、是非取り入れたい考え方と言えるでしょう。

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