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生産性に影響する「アブセンティーイズムとプレゼンティーイズム」

近年、出勤はしているものの体調が優れず、生産性が低下している状態による労働生産性の損失について注目されるようになりました。

企業として労働生産性の損失を考える時、ケガや病気によって会社を休む状況を思い浮かべる方も多いと思います。

しかし実際には、・花粉症・アレルギー症・腰痛・頭痛・慢性疲労症候群・生活習慣病・うつ病などを抱えての業務が影響している事の方がたくさんあります。

例えば、花粉症に罹患している方は症状が出ている時に目のかゆみや鼻のづまり、くしゃみで仕事に集中できない、といった状態の方はたくさん見かけます。

この状態の時は、集中力が欠けて労働生産性が低下しており、結果的に企業の損失につながっています。この状態をプレゼンティーイズムと言われ、経営にも大きな悪影響を引き起こしているのです。

目次

1. アブセンティーイズムとプレゼンティーイズムとは

2. アブセンティーイズム・プレゼンティーイズムによる労働生産性の損失

3. プレゼンティーイズムの対策

4. まとめ

1.  アブセンティーイズムとプレゼンティーズイムとは

アブセンティーイズムとは

健康問題による欠勤や休職など業務ができない状態や遅刻早退など職場にいることができない状態の事です。

アブセンティーイズムについては多くの研究があり、これまで予防と対策が行われていました。

プレゼンティーイズムとは

別名「疫病出勤」とも言われ、何らかの疾患や症状を抱えながら出勤し体調不良のまま働いている状態です。つまり心身が不調で本来のパフォーマンスが発揮できない状態で仕事をしていると言う事です。 アブセンティーイズム(健康問題による欠勤)については歴史的に多くの研究がなされているが、プレゼンティーイズムについては最近始まったばかりで労働生産性損失の観点から注目されています。

2. アブセンティーイズム・プレゼンティーイズムによる労働生産性

欧米を中心とした多くの研究によればプレゼンティーイズムによって企業には見えない「労働損失労働生産性の低下による経済的損失」が発生しており、その額は医療費や病気休業に関わる費用よりも大きいとされています。

中小企業の従業員を対象とした先行研究では、健康リスクの高い従業員(=生活習慣・健康状態が悪い従業員)ほど、 その結果、労働生産性損失は大きくなる傾向がありました。

プレゼンティーイズムによる(体調不良などに伴う)従業員一人当たりの労働生産性損失は、年間 76.6 万円と推測されました。

3.  プレゼンティーイズムの対策

プレゼンティーイズムの背景には様々な健康課題がありますので、職場の課題に応じた対策が必要になります。

慢性疲労症候群では、職場での長時間労働もその一因になり得ます。ノー残業デーの設定や年次有給休暇の取得状況の把握など、従業員の働き続ける体に休息を与えやすい仕組みを作ることも有効です。

メンタル疾患の予防には、ストレスチェックの推進や関連する社内教育、相談窓口の設置が重要です。

腰痛・頭痛は多くの職場でプレゼンティーイズムにつながる要因となっています。

運動の推奨や研修の他、業務上の身体的負荷の改善も検討すると良いでしょう。またストレスとの関連もあり、メンタルヘルス対策の強化も有効になります。

様々な対策を従業員からアイデアを募集してオリジナルの対策が出来ると、参加率、実行率もあがります。朝礼や掲示など決まった時間帯に職場で取り組むことで活動を促すなど継続の工夫もあると良いでしょう。

このような方法を職場の中で検討してみる衛生委員会がある職場であればこのようなことを議題に挙げてみるのも次のアクションにつながります。

心身ともに健康である状態であれば、本来の能力パフォーマンスを十分に発揮できます。

そのためにはプレゼンティーイズムのことを理解し職場の健康課題に応じた取り組みを実践することが大切です。 若い世代は病気で休むことが少ない一方で、プレゼンティーイズムによる損失割合が高い傾向にあります。無理が利く世代でもありますので残業時間や年次有給休暇取得状況などを確認して、疲労の回復や自身の健康に目を向けることを促すことが大切です。

4. まとめ

労働生産性が低下する割合の大きい「プレゼンティーイズム」対策は、経営においても重要となることが分かってきました。また集中力がなく、気持ちに余裕が無い状態だとハラスメントが起こりやすい状態でもあり、職場のコミュニケーションにも悪影響を及ぼします。

プレゼンティーイズム対策を講じることで、結果的に良好な職場環境、アブセンティーイズムや医療費の割合も低減させることにつながります。

従来の健康診断やストレスチェックだけでなく、メンタルヘルスやキャリア支援など、個々の従業員に対して具体的取り組みを行い長期的視点での施策が大切になることでしょう。

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